木枯らし1号の知らせに思う、秋の短さ

今朝のニュースで、東京と近畿地方で「木枯らし1号」が吹いたと報じられました。
まだ日中は汗ばむような陽気の日もあったのに、暦の上ではもう初冬。
今年は特に、秋をゆっくり味わう間もなく季節が駆け抜けていったように感じます。

木枯らし1号という言葉を聞くと、どこか懐かしい響きがあります。
晩秋の冷たい北風が吹くと、「いよいよ冬が始まるんだな」と実感します。
ただ、今年は紅葉の話題もまだ少ないうちに冬の便りが届いた気がします。
夏の名残が長く、そして一気に冷え込む――まるで秋が省略されたような気候の変化です。

実際、私が住んでいる四国でも今朝は空気がひんやりしていました。
出勤時、手をポケットに入れたくなるような冷たさ。
朝晩は特に気温が下がり、外に出ると吐く息が白くなりそうなほどです。
先週までは窓を開けて過ごしていたのに、今では浴室暖房が欠かせなくなりました。
湯気に包まれた浴室で「もう冬だな」としみじみ感じたほどです。

季節が過ぎるのが年々早くなっているように思うのは、気のせいでしょうか。
昔は「秋晴れ」「行楽日和」「新米の季節」といった言葉がもう少し長く楽しめたような気がします。
しかし最近は、気温の乱高下が激しく、秋を感じる期間が短くなっているように思います。
それでも、朝の冷たい空気の中に混じる木々の香りや、夕方の柔らかな光には、確かに秋の名残があるようにも感じます。

「日本に秋はなくなってしまったのだろうか?」
そんな風に思ってしまうほど、季節の変わり目が急に感じるこの頃。
でも、もしかすると“短い秋を探す”ことこそ、今の時代の楽しみ方なのかもしれません。
一瞬の秋を感じ取る心の余裕を持ちたい――木枯らし1号のニュースを聞きながら、そんなことを思いました。

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