今年のゴールデンウィーク、長女が帰省した時に、見慣れないものを持って帰ってきた。小さなケースに入っていたのは「ウクレレ」だった。
最初は、「急にどうしたの?」と思ったのだが、この春の異動で少し時間に余裕ができたこともあり、新しい趣味として始めたらしい。最近は、家でYouTubeを見ながら練習しているとのことだった。
昔なら、楽器を始めるとなると教室に通ったり、本を買ったりというイメージが強かったが、今は動画を見ながら独学で学べる時代になった。便利な時代になったものだなと感じる。
せっかくなので、少し弾いてみる?と言われ、私もウクレレを触らせてもらった。
ギターほど大きくなく、軽くて扱いやすい。木の温もりを感じる小さな楽器で、手に持った瞬間にどこか優しい気持ちになる。見た目もかわいらしく、なんとなく南国のゆったりした空気を連想させる。
娘に教えてもらいながら、まずは基本のコードを押さえてみた。
もちろん簡単ではない。指が思ったように動かず、弦を押さえても音がきれいに鳴らない。特にコードチェンジになると、頭では分かっていても指がついてこない。
それでも、不思議と嫌な感じはしなかった。
仕事や日常生活では、「うまくできること」や「効率」が求められることが多いが、楽器は少し違う。すぐにできなくても、少しずつ音が形になっていく過程そのものが楽しい。
娘は、YouTubeの初心者向け動画を見ながら練習しているらしく、「まずは簡単なコードだけで弾ける曲から始めるといいよ」と教えてくれた。
最近は、本当に便利な時代だと思う。昔なら楽譜を買って、先生に教わらないと難しかったことも、スマートフォン一つで学べる。動画を止めたり戻したりしながら、自分のペースで練習できるのはありがたい。
娘が弾いている様子を見ていると、まだ始めたばかりとは思えないくらい自然だった。忙しい毎日の中でも、こうして何か新しいことを始めている姿を見ると、少し頼もしく感じる。
そんな姿を見ているうちに、自分も少しやってみたくなってきた。
実際、ウクレレは思っていた以上に気軽な楽器だった。大きな音が出るわけでもなく、部屋の中でも気軽に触れることができる。何より、「ちょっと弾いてみようかな」と思わせてくれる距離感が良い。
娘からも「お父さんも買ったら?」と勧められ、その気になってしまった。
そして、その日のうちにネットでウクレレを検索。
価格もさまざまで、初心者向けセットから本格的なものまでたくさん並んでいた。レビューを見たり、動画を見たりしながら悩んだ結果、とりあえず初心者向けのウクレレを購入してみることにした。
最近は、ネットで気軽に何でも買える時代だが、こういう「新しい趣味の入口」を簡単に試せるのはありがたい。
数日後、届いたウクレレを箱から取り出した時は、少しワクワクした。
社会人になってから、「新しいことを始める」という機会は意外と少ない。毎日仕事をして、休日を過ごしていると、生活は安定する一方で、新鮮な刺激は減っていく。
だからこそ、こうして新しい趣味に触れる時間は大切なのかもしれない。
まだコードも覚えきれていないし、曲を弾けるようになるには時間がかかりそうだ。それでも、少しずつ音がつながっていく感覚はなかなか面白い。
指先が痛くなったり、コードを間違えたりしながらも、何度か繰り返していると、ほんの少しだけ形になっていく。
うまく弾けるようになる頃には、また違った楽しさが見えてくるのだろう。
最近は、年齢を重ねるにつれて「新しいことを始めるのは少し面倒だな」と思うことも増えてきた。しかし、実際にやってみると、知らなかった世界に触れる楽しさがある。
娘が帰省したことで、思いがけず始まったウクレレとの出会い。
何気ないゴールデンウィークの一場面だったが、こういう小さなきっかけが、日々の暮らしに新しい彩りを加えてくれるのかもしれない。
まずは簡単なコードを覚えて、一曲くらい弾けるようになりたい。
焦らず、少しずつ。
窓際でウクレレをつま弾きながら、ゆっくり練習する時間を楽しんでいこうと思う。


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