先週の火曜日は長女の誕生日だった。気がつけば20代も後半に差しかかり、時間の流れの速さを改めて感じる。ついこの前まで学生だったような感覚があるが、今では社会人として日々忙しく働いている姿を見ると、成長したものだとしみじみ思う。
今年は平日が誕生日だったこともあり、三連休を利用して少し遅れてお祝いをすることにした。こうして日程を合わせて家族で集まること自体が、年々貴重な機会になってきている。特に今回は、次女も休みが重なり帰省してくれたため、久しぶりに家族全員が揃うことになった。
家族が揃うというだけで、どこか特別な空気が流れる。日常の中ではそれぞれが違う場所で生活し、それぞれの時間を過ごしているが、こうして同じ場所で同じ時間を共有することで、自然と会話が生まれ、笑いが生まれる。その当たり前のようでいて、実はとても貴重な時間を改めて感じることができた。
ここ数年、長女の誕生日は少しだけ特別な形で祝うことが習慣になっている。隣町にあるフランス料理店でのディナーだ。普段はなかなか足を運ぶ機会のない場所だが、誕生日という節目にはふさわしい落ち着いた雰囲気の店で、毎年楽しみにしている行事の一つでもある。
今年も事前に予約をして、家族5人で訪れた。店内に入ると、静かで上品な空気が広がっており、自然と背筋が伸びる。テーブルに案内され、ゆっくりとした時間が流れ始める。
コース料理は一皿一皿が丁寧に作られており、見た目にも美しく、食べる前から期待が高まる。普段の食事とは違い、料理の説明を聞きながら味わう時間は新鮮で、非日常を感じるひとときだった。
以前はこうした場ではワインを楽しむこともあったが、最近はお酒を控えているため、今回はノンアルコールのスパークリングワインを選んだ。グラスに注がれた泡が立ち上る様子を見ていると、それだけで十分に特別な気分になる。アルコールでなくても、こうして雰囲気を楽しめるのは新しい発見だった。
料理を味わいながら、自然と会話が弾む。仕事の話、日常の出来事、ちょっとした笑い話。どれも特別な話題ではないが、家族で共有することで温かみが増していく。こうした時間こそが、何よりの贅沢なのかもしれない。
長女からは、来年度から新しい部署へ異動することになったと聞いた。最近はその引き継ぎなどで忙しくしているとのことだった。話を聞くと、その部署は以前から希望していた場所らしく、ようやくその機会を得たという。
嬉しさと同時に、不安もあるようだった。新しい環境、新しい人間関係、そして新しい仕事。どれも簡単なものではないだろう。それでも、その表情には前向きな気持ちが感じられた。自分で選び、望んだ道に進もうとしている姿は頼もしくもあり、親としては応援したい気持ちが強くなる。
振り返れば、子どもたちが小さかった頃は、家族で過ごす時間が当たり前だった。誕生日も自宅でケーキを囲み、にぎやかに過ごしていた記憶がある。それが今では、それぞれが自分の人生を歩み、こうして予定を合わせて集まる形へと変わってきた。
少し寂しさを感じる部分もあるが、それ以上に、それぞれが自立している証でもある。こうして節目のタイミングで集まり、時間を共有できることは、むしろありがたいことだと感じるようになった。
帰り道、三連休の夜の空気は少し冷たかったが、心の中はどこか温かかった。家族で過ごした数時間が、確かな記憶として残っていく感覚があった。
これから先、さらに生活のスタイルは変わっていくだろう。子どもたちの環境も変わり、なかなか全員が揃う機会は減っていくかもしれない。それでも、こうした時間を大切にしながら、それぞれの人生を見守っていきたいと思う。
長女には、新しい部署でも自分らしく頑張ってほしい。うまくいくことばかりではないだろうが、その中で経験することすべてが、これからの糧になるはずだ。
そしてまた来年、同じように誕生日を祝えることを願いながら、この日のことを静かに振り返った。


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