冬至の夜、暖かな空気の中で迎える一年の節目

今日は冬至。

一年でいちばん夜が長い日です。暦の上では本格的な冬の真ん中ですが、ここ最近は例年に比べて気温が高く、どこか実感が薄い冬至となりました。朝の冷え込みも思ったほど厳しくなく、外に出た瞬間の「身が引き締まる寒さ」は、今年はあまり感じられません。

それでも、日の短さは確かで、夕方になるとあっという間に空が暗くなります。明るい時間が短いだけで、気持ちまで少し静かになるのが不思議です。暑かった夏から、秋を駆け足で通り過ぎ、気がつけば冬至。季節の移り変わりが年々早く感じられるのは、気温のせいだけではないのかもしれません。

暖冬とはいえ、冬至はやはり一年の節目です。我が家では、毎年変わらず柚子湯とかぼちゃが定番になっています。外の気温が高めでも、この習慣だけは欠かさず続けています。季節の行事は、その年の気候に左右されず、暮らしの中に「区切り」を与えてくれる存在だと感じます。

夕食の準備が始まると、台所からかぼちゃを煮る甘い香りが漂ってきました。今年は暖かいとはいえ、やはり日が落ちると少し肌寒くなります。ほくほくとしたかぼちゃは、そんな夜にちょうどよく、食べると体がじんわりと温まる気がします。「冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない」と言われていますが、理屈よりも、この安心感が何より大事なのかもしれません。

お風呂には柚子を浮かべました。湯気とともに広がる柚子の香りは、毎年変わらず心を落ち着かせてくれます。暖冬であっても、湯船につかると一日の疲れがすっと抜けていくのが分かります。今年は「寒いから入る」というより、「気持ちを切り替えるために入る」柚子湯だったように思います。

こうした日本の季節行事は、天候に関係なく続けることで意味を持つのだと感じます。もし冬至の気温だけで判断すれば、「今日はそれほど冬らしくない日」かもしれません。でも、柚子湯に入り、かぼちゃを食べることで、しっかりと冬至を迎えた実感が生まれます。

今年も残りわずかとなりました。暖かい日が続いていると、年末という実感も少し薄れがちですが、冬至を迎えると「いよいよ今年も終盤だな」と気持ちが引き締まります。一年を振り返るにはまだ早いですが、家族そろってこうした時間を持てることは、やはりありがたいことです。

夜が長い今日は、無理に何かをせず、静かな時間を大切にしたいと思います。暖房をつけなくても過ごせる夜に、少し違和感を覚えつつも、季節の節目としての冬至は、確かにここにあります。

明日からは、ほんのわずかずつですが、日が長くなっていきます。寒さの本番はこれからかもしれませんが、確実に春へ向かう一歩が始まる日でもあります。気温に惑わされず、体調管理に気を付けながら、この冬を穏やかに過ごしていきたい。そんなことを考えながら、今年の冬至の夜を締めくくりました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました