最近、通勤時間をより有意義に過ごすために「Audible」を活用しています。移動中に両手が空いたまま本の世界に浸れるのは、忙しい毎日にとって大きな恩恵。耳で聴く読書の楽しさにすっかりハマってしまいました。
そんな中で、心に深く残った一冊があります。喜多川泰さんの『いただきます。』です。
■ あらすじと出会い
物語の主人公は、高校を卒業後、なんとなくアルバイトを転々としている若者。将来に対する明確なビジョンも持たず、ただ日々をこなすように過ごしていた彼が、ある日、大学の守衛の仕事に就くことになります。
その職場で出会ったのが、人生経験豊富な年配の守衛の男性。彼との日々の会話ややりとりを通じて、主人公は次第に「生きることの意味」「働くことの意義」について考え直すようになります。
物語は、派手な展開があるわけではありません。でも、一つひとつの言葉、一つひとつの出来事がじんわりと胸に染みてきます。まるで、読者自身が守衛の先輩と対話しているかのような、そんな不思議な感覚に包まれました。
■ 近視眼的な生き方からの脱却
この作品で特に心に残ったのは、「近視眼的な生き方をしていないか?」という問いかけ。
目先の成果や評価、すぐに得られる見返りばかりを追いかけていると、大切なものを見失ってしまうことがあります。この物語の中で語られる先輩の言葉には、そんな現代の私たちへの警鐘とも言えるメッセージが込められているように感じました。
■ 背中で語れる大人に
物語を聴き終えた後、ふとこんなことを思いました。
「自分は、誰かにとって“背中で語れる大人”になれているだろうか?」
口先だけで語るのではなく、日々の行動や在り方そのもので伝えていく。そんな大人の姿を、私はこの本から教えてもらった気がします。そして、そうありたいと強く思わせてくれました。
■ 最後に
『いただきます。』は、社会人の方にはもちろん、これから進路を考える若い世代にもぜひ読んで(聴いて)もらいたい一冊です。
静かだけれど力強いメッセージが、きっとあなたの心にも届くはず。
Audibleでの読書、まだ未体験の方にもオススメです。移動時間が、ちょっと豊かなひとときに変わりますよ。
ご感想やおすすめの作品などあれば、ぜひコメントで教えてください。これからも耳からの読書、続けていきたいと思います!
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