濃霧の季節

日記

愛媛県大洲市に住んでいると、この時期の朝は一面の霧に包まれることが多くなります。盆地特有の地形ゆえ、冷え込んだ朝には濃い霧が街を覆い、まるで幻想の世界に迷い込んだような風景が広がります。通勤途中、車のヘッドライトを灯しながら進むと、ゆっくりと流れる白い霧が目の前を横切り、まるで自然のカーテンのように感じられます。

大洲市では、この霧が高台から見ると「雲海」となり、写真愛好家にも人気のスポットがいくつかあります。朝日が昇る頃、霧が山々の間を漂い、金色に染まる光景は息をのむほどの美しさです。まるで山が雲を抱いているかのようで、自然が織りなす壮大な景観に感動を覚えます。

そして、この霧はやがて肱川を下り、河口付近では「肱川あらし」と呼ばれる強風を生み出します。朝方、川面を滑るように吹き抜ける冷たい風は、冬の訪れを告げる大洲ならではの風物詩です。地元の人々にとっては馴染みのある現象でありながらも、その迫力と自然の神秘さに毎年驚かされます。

この数日、朝の通勤時に見る霧の濃さが日に日に増してきました。秋から冬へと季節が移り変わる中で、霧の表情もまた変化していきます。霧の中にぼんやりと浮かぶ街灯や橋の姿には、どこか懐かしさと静けさがあり、忙しい朝のひとときに心が落ち着く瞬間でもあります。

冬の始まりを告げる大洲の濃霧。自然が見せてくれるこの季節限定の風景を、今年も大切に感じながら過ごしていきたいと思います。

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